山手線唯一の第二中里踏切はいつ廃止?跨線橋計画と現状を徹底追跡
東京の都市交通を支える大動脈、JR山手線。全長約34.5kmの環状線において、昭和から平成、そして令和の今日まで奇跡的に残り続けてきた「唯一の踏切」が、東京都北区に位置する第二中里踏切です。最先端の自動運転技術や高密度運行が進む山手線において、緑色のフェンスに囲まれたこの踏切は、まさに都会のエアポケットのような異彩を放ってきました。
しかし、東京都北区とJR東日本が進める立体交差化事業により、長年親しまれたこの風景もいよいよ見納めの時を迎えつつあります。「一体いつ閉鎖されるのか」「なぜ山手線でここだけが残されてきたのか」。2026年現在の最新の現場状況や跨線橋の新設計画、そして現地利用者のリアルな証言をもとに、その全貌を徹底的に掘り下げます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:山手線唯一の踏切「第二中里踏切」は、北区による都市計画道路事業(跨線橋新設)に伴い2029年度前後の廃止・撤去に向けて工事計画が進行中。
- 要点2:残存してきた理由は、武蔵野台地の急峻な崖線地形と密集住宅街という立地条件にあり、高架化・地下化が極めて困難だった歴史的背景が存在する。
- 要点3:新設される跨線橋はエレベーター完備のバリアフリー設計となり、「開かずの踏切」による慢性的な交通遮断や安全リスクが抜本的に解消される見通し。
【2026年最新】第二中里踏切はいつ閉鎖される?廃止スケジュールと現在の工事進捗
第二中里踏切の廃止時期について、行政およびJR東日本の都市計画事業計画によると、2029年度(令和11年度)前後の事業完了および踏切除却が目指されています。現在、現地周辺では用地取得の進捗に合わせ、新設される跨線橋(道路橋および歩行者用横断施設)の基礎工事に向けた準備作業が着実に進められています。
このプロジェクトは、北区が事業主体となる「特別区道北第70号線」の道路新設・立体交差化事業の一環です。踏切を単に遮断するのではなく、踏切の東側に山手線を跨ぐ新たな橋梁を架設し、自動車・歩行者の動線を完全に立体化させた上で、最終的に踏切を閉鎖・撤去する手順が採られます。
2026年現在の現場では、踏切自体の日常的な供用は継続されていますが、隣接する敷地では仮囲いや準備工事が進んでおり、昭和・平成の面影を残すレトロな景観は確実に過渡期へと突入しています。

なぜ山手線でここだけ残った?「唯一の踏切」となった地形と歴史の裏事情
山手線の踏切は、戦後の高度経済成長期から平成にかけて急速に立体交差化が進められ、次々と姿を消していきました。目白や代々木などに存在した踏切も撤去され、最終的に残ったのがこの駒込駅〜田端駅間に位置する第二中里踏切でした。なぜ、この1箇所だけが現代まで取り残されたのでしょうか。
その最大の要因は、武蔵野台地(本郷台地)の東端が下町低地へと落ち込む急峻な崖線地形にあります。山手線は駒込駅を出ると高台の掘割(切通し)を進み、田端駅に向けて一気に勾配を下っていきます。この高低差の途中に位置する第二中里踏切周辺は、線路を高架化するにも地下化するにも急勾配が生じてしまい、鉄道土木上の難易度が極めて高かったのです。
さらに、線路の両脇には古くからの住宅地や商店が密集しており、大規模な連続立体交差事業を行うための用地買収には莫大な費用と交渉期間が必要でした。結果として、抜本的な線路の改良は見送られ、警報機や遮断機の近代化改修を重ねながら現在まで存続することとなった経緯があります。
【徹底比較】第二中里踏切の現状データと将来の跨線橋スペック
第二中里踏切が抱える交通課題と、新設される立体交差(跨線橋)計画の具体的なスペックを客観データで比較・検証します。
| 項目 | 第二中里踏切(現状) | 新設跨線橋(計画) | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 構造形式 | 平面交差(第1種甲踏切) | 道路橋(跨線橋)+歩行者道 | 線路との物理的分断による事故リスクの完全排除 |
| 朝ピーク時遮断時間 | 1時間あたり約40分以上(開かずの踏切) | 0分(常時通行可能) | 通勤・通学時の移動ロスが劇的に解消 |
| 道路幅員・歩車区分 | 全幅約4.8m(狭小・歩車混合) | 全幅約11.0m(車道+両側歩道) | 大型緊急車両の通行および安全な歩行空間を確保 |
| バリアフリー設備 | なし(段差・勾配あり) | エレベーター2基新設予定 | 高齢者・車椅子・ベビーカー利用者の利便性が向上 |
| 対象路線・列車本数 | 山手線(内外回り計 約700本/日) | 立体交差のため列車運行と完全分離 | 過密ダイヤに伴う運行トラブル時の影響を遮断 |

【実態検証】地元住民のリアルな日常と「開かずの踏切」がもたらす光と影
第二中里踏切を実際に訪れると、都市の利便性と日常の不便さが隣り合わせになった独特の空気感に直面します。平日の朝ラッシュ時、内回り・外回りの山手線(E235系)が約2〜3分間隔で次々と通過するため、遮断機は一度下りると数分間にわたって上がりません。ようやく開いたと思っても、わずか数秒で再び警告音が鳴り響く、文字通りの「開かずの踏切」です。
地元住民や通行人に現場で話を聞くと、切実な声が返ってきます。
「朝の通勤時間帯は、踏切の手前で足止めを食らうと電車を1〜2本逃してしまう。特に雨の日は傘を差した歩行者と自転車、対向車が狭い道ですれ違うため、いつもヒヤヒヤしていました。跨線橋ができるのは本当に助かります」(近隣に住む40代会社員)
その一方で、この場所が持つ独特の情緒を惜しむ声も少なくありません。山手線の最新車両がカーブを描きながら踏切を横切る姿は、全国の鉄道ファンにとって格好の撮影スポットであり、近隣の小学生が電車に手を振る穏やかな日常風景でもありました。地域の生活動線としての利便性向上という大義の裏で、下町の原風景が一つ消えゆくことに対する哀愁が交錯しています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「第一中里踏切」はどこへ消えたのか?
第二中里踏切にまつわる情報の中には、インターネット上で散見される誤解や、あまり知られていない歴史的トリビアが存在します。
まず最も多い疑問が「第二があるなら、第一中里踏切はどこにあるのか?」という点です。実は、かつて駒込駅寄り(現在の駒込橋付近)に「第一中里踏切」が存在していました。しかし、昭和初期の道路整備および本郷通りの立体交差化に伴い、早い段階で撤去・跨線橋化されたため、歴史の過程で「第二」だけが名称を変えずに現代まで取り残される結果となりました。
また、「踏切が廃止されると歩行者は遠回りを強いられるのではないか」という懸念も見受けられますが、これも誤解です。計画されている新ルートには歩行者専用の階段およびエレベーターが整備され、高低差を意識することなく安全に線路を越えられる設計となっています。
さらに、第二中里踏切のすぐ横には、山手線と並行して「山手貨物線(湘南新宿ライン等の線路)」が走っていますが、貨物線側はすでに立体交差(トンネル・掘割構造)となっており、遮断機が作動するのは山手線旅客列車の2線のみという点も、現場を訪れて初めて気づく構造的特徴の一つです。
【プロの結論】都市工学の視点から見る「踏切全廃」の社会的必然性と見学者のマナー基準
都市インフラおよび交通防災の観点から見れば、山手線からの踏切完全除却は避けて通れない必然的なステップです。超過密ダイヤを誇る東京の大動脈において、踏切事故や非常ボタン押下による運行停止は、1回あたり数十万人の乗客に影響を及ぼします。また、首都直下地震などの大規模災害時、緊急車両の通行を妨げる「開かずの踏切」の存在は致命的なリスクとなり得ます。
これから現地を訪れる方や鉄道写真の撮影を検討している方に向けて、編集部が策定した判断・行動基準は以下の通りです。
【現地見学・撮影をおすすめできる条件】
・歩行者や一般車両の通行を最優先し、白線の内側から安全に配慮して見学できる方
・三脚や脚立を使用せず、近隣住民のプライバシー(住宅の映り込み)に十分配慮できる方
・消えゆく昭和・平成の鉄道インフラの記録として、静かに情景を心に留めたい方
【現地訪問を控えるべき・慎重になるべき条件】
・車道や遮断機直前に身を乗り出して画角を確保しようとする撮影目的の方
・踏切警報機が鳴り始めてから無理に横断・接近を試みる方
・狭小な路地に自家用車で乗り入れ、路上駐車をして見学しようとする方

【第二中里踏切】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:第二中里踏切へのアクセス・最寄り駅はどこですか?
A1:JR山手線・東京メトロ南北線の「駒込駅」東口から徒歩約4〜5分です。田端駅北口からも徒歩約10〜12分程度でアクセス可能です。駒込駅東口を出てアザレア通り商店街を抜け、線路沿いを田端方面へ進むと到着します。
Q2:跨線橋が開通したら、古い踏切はすぐに立ち入りできなくなりますか?
A2:はい。新設される跨線橋が一般供用を開始した段階で、安全確保のため第二中里踏切は完全に閉鎖され、遮断機や警報機、レール間の舗装などは速やかに撤去される計画となっています。
Q3:車で渡ることは可能ですか?通行規制はありますか?
A3:普通車までの通行は可能ですが、踏切前後の道路が非常に狭く、すれ違いが困難な箇所があります。大型車の通行は制限されており、朝夕は歩行者で混雑するため、自動車での無理な進入は推奨されません。
まとめ:変わりゆく山手線の原風景と私たちが知るべき未来
山手線で唯一残された第二中里踏切の廃止は、単なる鉄道施設の一新にとどまらず、東京というメガシティが追求し続けてきた「安全と効率化の究極形」を象徴する出来事です。100年以上にわたり街の営みを見守り、無数の通勤客を乗せた電車と地域住民を行き交わせてきた踏切が役割を終える日は、着実に近づいています。
2029年度前後の完全閉鎖に向けて、現地の景色は日々移り変わっていきます。その貴重な姿を目に焼き付ける際は、地域住民の生活道路であることを決して忘れず、ルールとマナーを守ってその歴史の節目を見届けましょう。 (出典: 第 二 中里 踏切(Yahoo!ニュース))